沖縄の離島、宮古島では独自の「エコアイランド宮古島」というプロジェクトを推し進めています。これは宮古島版SDGsとも言われ、宮古島の未来のためのアクションです。
2008年に宣言され、2018年には「エコアイランド宮古島宣言2.0」が。6種類の宣言のもと、宮古島の環境や社会、未来などを守るための取り組みがおこなわれています。今回は6種類の宣言のなかから、プロジェクト6をピックアップ。生物多様性の楽園に向けての取り組みをご紹介します。
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希少種や固有種の多い宮古島だからこその生物多様性
「エコアイランド宮古島」のプロジェクト6は、緑と海、そして空を守り、すべての生物がともに生きていくことができる環境作りを目指すもの。宮古島には希少種や固有種が多く生息し、それらは陸上に限ったことではなく海中にも及びます。また「八重干瀬(やびじ)」という日本最大級のサンゴ礁もある宮古島では、それらの保全などは重要な課題のひとつです。
「エコアイランド宮古島」は、生息する動植物たちにとって宮古島が「生物多様性の楽園」であり続けることも視野に入れ、さまざまな取り組みを進めているのです。
希少種や固有種、自然環境をどこまで守り抜けるか
宮古島を取り巻く生態系や自然環境、宮古島だけではなく「宮古島市」を構成する周囲の島も含め、貴重な動植物などがいつまでも豊かに生きていける環境の構築が必要です。希少種・固有種のなかには絶滅を危惧されている種もあり、離島だからこそ人間の社会生活や観光による、環境への変化と影響も懸念されます。
「エコアイランド宮古島」では、「宮古島が千年先の未来でも住み続けられる」ような島であることを目指しています。そのために必要なことは、今の環境をどこまで守り、維持し、場合によっては改善していくかということが挙げられるのではないでしょうか。
陸も海も生物が住みよい環境を組み立てる
日本は島国で海に囲まれていますが、海が身近ではない地域は多くあります。しかし海沿いの地域や宮古島のような離島などでは、海と共にあることがとても重要です。
とくに宮古島の海は宮古ブルーと呼ばれるほど美しく、サンゴ礁もあります。またウミガメや色とりどりの魚、ときにはマンタなど魅惑的な海棲生物がたくさん生息しています。この美しい海ではマリンスポーツも盛んで、ウミガメや魚、マンタに会うためのダイビングツアーなどが組まれるほど。海棲生物の生息する場所に、人間が入っていくことによる影響は少なくありません。
それは陸地でも同様で、マングローブ林をはじめとした自然環境に、やはり人間が干渉しています。完全に無干渉になることは難しいため、どこまで影響を与えずに、どこまで生き物が暮らしやすい環境を整え、維持および改善していけるのかが大切です。
生物多様性、宮古島に生きる生物の楽園を実現させるために
生物多様性という言葉は、文字通り生物の多様性についてを意味することです。生態系と表現したほうがわかりやすいでしょうか。いま、その生物多様性が崩壊しつつあります。
「エコアイランド宮古島」が掲げる目標は、世界的な規模で見れば宮古島という小さな点でしかないかもしれません。しかしそこに生きる生物の楽園を実現させるための動きは、世界的に通用していくものもあるでしょうし、SDGs全体で見ると大変大きな動きでもあるのです。