「スマートコミュニティ」という言葉を知っていますか? 耳慣れない方もいるかもしれませんが、IT技術などを使用し、エネルギーを統合的に管理、効率的に使う社会のことで、昨今、国内外で実証実験が行われています。
実は、沖縄を代表する人気の離島である宮古島も、スマートコミュニティに取り組んでいる自治体の一つです。そこで今回は、宮古島のスマートコミュニティに注目し、その具体的な取り組みを紹介していきます。
宮古島全体を「スマートコミュニティ」に!
宮古島では、「エコアイランド宮古島」の推進計画の一つとして、「スマートコミュニティ」に取り組んでいます。エコアイランド宮古島とは、島の環境や資源を大切にし、将来にわたって住み続けられる島を目指す取り組みのこと。島をあげてさまざまなことが実施されていますが、その一つがスマートコミュニティです。
島しょ部ならではのエネルギー問題が…
宮古島がスマートコミュニティに取り組む背景にあるのが、島しょ部ならではのエネルギー問題です。
離島である宮古島が島外から燃料を調達するということは、それだけ宮古島の外に経済が流出してしまうことになります。「循環型の島」を目指している宮古島にとって、こうした経済の流出は避けたい部分と言えるでしょう。
さらに、島外から燃料を運ぶことにより、宮古島の経済が島外の事情に左右される懸念もあります。例えば、島外で燃料価格が上昇すると、島の経済もその影響を受けるといった形です。
また、宮古島のような小さな離島では、エネルギーコストの問題もあります。宮古島は本州と異なり、電力の経済規模が限られているため、効率やコストの面で課題が生じていました。
いずれも離島ならではの課題であり、宮古島では、こうしたエネルギーの課題を解決するために、島全体をスマートコミュニティにするよう取り組んでいます。
エネルギー課題を解決、宮古島のスマートコミュニティ
宮古島がスマートコミュニティの実現に向けて行っていることの一つが、島内の「調整力」の増加です。宮古島では、再生可能エネルギーの導入が進められていますが、太陽光発電は、天気に発電量が左右されることがあり、使用量と発電量のバランスが取れないことが課題でした。
そこで、下記のように電力負荷を調整する設備を島内に増やし、電気を使うタイミングをずらすことで、効率的に電気を使う仕組みを整えています。
- 汲み上げた水を貯められる地下ダム
- 蓄電池の代わりとして使える電気自動車(EV)
- 沸騰済みのお湯を溜められるエコキュート など
宮古島では、再生可能エネルギーの利用や調整力の増加のほかにも、島民に省エネの意識を根付かせるなどし、「エコで自立した地域」を目指しています。
未来を見据えた、エコアイランド宮古島
今回は、宮古島のスマートコミュニティについてご紹介しましたが、エコアイランド宮古島のプロジェクトでは、ほかにもさまざまな取り組みが行われています。宮古島で暮らす人たちが中心となる取り組みが多いですが、なかには島外からでも参加できるものもあります。
例えば、宮古島市に対する「ふるさと納税」は、その一つです。実は、宮古島市のふるさと納税は、寄付者が使い道を選択できるシステムになっており、「エコアイランド宮古島応援コース」を選べば、島外からもエコアイランド宮古島の取り組みを応援できますよ。
未来を見据えた宮古島の取り組みに、今後も注目してみてはいかがでしょうか。